PC9821AnをFSB66Mhzで使いたい!


たかが6Mhzされど6MHz!

ご存じPC-9821AnはFSB=60MHz×3で60MHz動作となっております。CPUの乗せ換えは多くの改造系HPで盛んに行われていますので、そのあたりの話題はそちらにお任せするとして今回は何とかFSBをアップできないかということに主眼をおいて改造したいと思います。


一般的に行われている原発乗っ取り作戦はどうか??

一般的に知られているFSBアップ、それはPLLの設定ピンの足揚げ又は原発そのものを交換してしまうの2通りになると思います。Anでは前者の方法は使えないと思います。よく調べていませんが、マザーボード上で60MHzをオシレータから直接得ているためです。ということでオシレータの交換という方法になります。しかし・・・・実験の結果、すでに64Mhzで安定動作しません。これはすでにWEB上で撃沈報告が多数あがっていたのでダメ元でしたがやはりダメでした。Anのマザーは前期と後期の2バージョンあることがわかっていますが、両方ともダメでした。テストにはP55C-233を使用しました。


PC-9821Afから部品を調達・・・?

このマシンはチップセット(正確にはキャッシュコントローラ)にインテル82497-60を採用しています。この型番が物語るように定格は60MHzです。さらにはキャッシュチップにも−60と刻印があります。このチップセットはクロックアップ耐性が極端に低いらしく66MHz版は82497-66とはならず別の型番であると聞いたことがあります。そこで、チップセットにもペンティアム用のクーラーを、実験中キャッシュチップもかなりの高温になっていたのでキャッシュ上にも薄型クーラーを貼り付けました。再度64Mhzでチャレンジしましたが効果はあるものの、やはり不安定の域を出ません。・・とここで思い出したのが、一世代前(?)のPC-9821Af。動作クロックは同じ60MHzなものの、チップセットは82496-66、キャッシュチップも−66なものを採用しているではありませんか!ならば乗せ換えてしまえば動くかもと思うのが人情です。別に98から部品を取らなくても多く出回っているpentium60/66なAT互換機のマザーから摘出すれば良さそうですがチップセットが大抵430NXで使えません。

 


キャッシュチップを調べてみる

右写真はPC-9821Anのキャッシュチップ、KU-82492です。PC-9821AfのCPUボードを見ると・・キャッシュコントローラー以外にキャッシュチップの型番も違うでは無いですか!KU82491-66を搭載しています。-66なキャッシュチップは魅力がありますが、互換性に不安が出てきました。いったん調査します。

 

 

 

 

 

 

 


原因は本当にそれだけか?

実はキャッシュ周りにあるGALもクロックアップすると相当熱くなることがわかっています。もし、ここがネックになっているならば私の改造は無意味に終わります。他にも82497と82496の互換性が気になります。さらには部品供出元のAfで66Mhz動作ができなかったこともあって不安要素は山のようにあります。

PC9821AfのCPUボード(G8NZB)を見る

 

 

 

 

 


Afのキャッシュコントローラ交換に成功

まず、手始めにPC-9821Afに82497-60を載せてみましたが問題なく動作いたしました。82497と82491との併用は可能なようです。手順としましては、右写真のように基板をマスキングして半田槽ではずします。その後、半田吸い取り器でランドに残っている半田を丁寧に吸い取ります。今回は実験もしたいので直接実装はせず、丸ピンICソケットを取り付けて取り替えが簡単にできるようにしました。このような良好な結果が出ましたのでAnに82496-66を搭載することにします。

・・・しかし埋もれててAnを掘り出せなくなっています。次回更新をご期待