05/02/25新規掲載

Canopusスキャンコンバータ付属ACアダプタの修理

このページ画像多いんで、ちと重いかもしれませんm(_ _)m














はじめに
     
   2月某日、当店のイメージキャラクターを描いてもらっているVJ GABAさんのスキャンコンバーターの電源が入らなくなってしまいました。スキャンコンバーターとはパソコンのモニタ(RGB)信号をVIDEO画像に変換してプロジェクターの大スクリーンへ投影可能にする重要な機材。現場でのトラブルだったのでどうすることもできず、入院となりました。それでもイベント自体は大成功だったと聞き、不幸中の幸いといったところでしょうか?
(すべての画像はクリックで拡大します)
 
↑今回のターゲット














対策を検討します
     
   電源が入らないということで早速調査してみますと、予想通りACアダプタからの給電がありません。それよりアダプタ上部がシールのめくれとかではなく明らかに膨張しています。代用品に速攻交換も考えましたが、スイッチング電源ではないこのタイプのアダプタは非安定化電源ですので、消費電流に連動して出力電圧が変動します。出力5V1000mAと書いてありますが1A使ったとき5V程度の電圧という意味に過ぎません。とうわけで待機時など消費電流が低いときは表記よりもっと出力電圧が高いことになります。実際、開放電圧を測ってみると11.5Vもありました。代用品の許容範囲を探すには本体の分解解析が必要なのでやめておき、この故障品を修理することにします。  
↑明らかに膨らんでます














開帳します
     
 
 たとえコードの途中が断線であっても中継はプロとして避けるべきなのでとりあえず解体します。が、ねじでもツメでもなく接着剤でがっちり閉じているので糸鋸で慎重に開削します。他の刃物などで開けようとすると、どうしても刃が中に入り中の電子回路にキズが入りキケンですので面倒でも糸鋸を使います。
 こんな感じで中身が出ました。あれ、何かが足らない?!本来必ず入っているはずのヒューズが入っていない!果たして安全上問題ないのだろうか?いくらカノープス製品が優秀でもマズイような気が・・・?
 
↑中身です














断線箇所を切除します
     
 
 断線箇所の解析の結果、断線箇所はアダプタを出てすぐのところでしたので、ズバッと切ってしまいます。しかし、コードブッシュといって断線しにくくするためのゴムパーツも一緒になくなってしまいます。そこで、右写真のようにケースの穴に合わせてコードを太くした上でチューブで覆いアダプタの付け根に対しケーブルが直角に折れないようにします。
 
↑補強します














膨張事件の謎
     
 
 あとはケースを閉めればおしまいなのですが、先ほどの膨張が気になります。そこで調査してみたところ、コンセントの金属部分が生えている裏側、右写真を見ると、トランスが当たっていたところが熱で溶けたように潰れていました。画像を拡大して確認できましたでしょうか?おそらく相当な高熱がかかったのか?と思いきや反対側の膨らんでいたふたは開帳したことによりテンションが下がり、今は普通に平たく戻っていますので製造時に無理矢理ケースを閉めたのだと思います。
 
↑コンセントの裏のあたり














バンドをかけて完成です
     
 
 ケースを閉めて集結バンドをかけて完成なのですが、そのままではバンドが横ずれして外れてしまい使用中にケースが開く可能性がありキケンです。そのため糸鋸でケースに溝を掘りバンドが横に逃げないよう対策してからケースを閉めます。手前にあるのは断線のため捨てた部位です。今回の修理は技術的にも困難ではなく比較的簡単でした。ただ、工作能力が未熟だと危険(最悪火事に)なので自分でやってみる方は油断しないで取り組んでくださいませ。
 これでまたこのスキャンコンバーターは多くの人のココロを動かす場にて活躍することでしょう。
 
↑バンドをとめて完成


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