04/03/16新規掲載

アンプのボリュームの分解メンテナンス
-その1-

このページ画像多いんで、ちと重いかもしれませんm(_ _)m














今回のターゲット    
     
 
 今回はターゲットはYAMAHA PC2002で、250W+250Wの出力を誇るPAアンプです。本機は片CHまったく音が出なくなっての入院でした。ガリ音ならまだしもまったく音が出ないまでにボリュームが劣化していました。ここでは調査解析過程はさておき、劣化したボリュームの現状を見ていただくとともにその修復過程を掲載します。なお、通常は部品交換が原則ですが、本機のボリウムは非常に特殊な機構を採用しており、メーカーも代用品で対応するというありさまのなので分解に踏み切りました。
 
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↑今回のターゲット(作業完了後の様子)














フロントパネルを取り出しました
     
 
 プロ仕様らしく、ツマミ類が突出しないようにできているためか、ボリュームと電源スイッチは一段奥に付いています。そのため、パネルごと引き出して作業します。写真はツマミを外してナットを緩めるところです。天吊りでの使用とあってか、タバコの香り等で年季が入っているのがわかります。

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↑ツマミを取りました













問題のボリューム
     
 
 基板じか付けタイプのボリュームのため、サブ基板がかましてありました。ボリュームを解体するにはこのサブ基板が邪魔です。基板をこの8本足のボリュームから外すとともに配線もすべて外します。
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↑ボリュームだけを外します














抵抗体のメンテナンス
     
 
 ボリュームが外れたならば、ねじを2本抜いて解体します。抵抗体を分離したならば根気良く回復させます。接点復活剤は最悪抵抗体が侵される場合があり、リスクが大きくボリュームに使うのは危険と考えるため、今回のケースでは利用しません。また、接点復活剤での回復は根本的な解決とはならず問題の先送りに過ぎません。本機のお客様は商業施設なので動作中の不具合は許されません。接点復活剤のような大きなリスクはもちろん小さなリスクでも回避する必要があります。写真左が施工後、右が施工前です。拡大してご覧いただければ違いが一目瞭然です。なおこの機種は連続可変ではなく抵抗をスイッチ式で切り替えるタイプ特殊なものです。
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↑施工後の抵抗体(左)














擦動体だってくたびれたいます
     
   
 抵抗体があの様子なら擦動体だってかなりの状態です(写真左)。メッキが侵され変色しており、皮膜が出来上っています。こちらも同様に回復させますが、接点の部分は細くデリケートで曲げてしまえばすべてが無駄になってしまいますので慎重におこないます。左が施工前、右が施工後です。(上の写真と逆になってしまいすみません)

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↑施工後の擦動体(右)


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