05/11/05新規掲載

LUXMAN SQ505Xの改修記録<1>

このページ画像多いんで、ちと重いかもしれませんm(_ _)m














はじめに
     
   10月某日、外見程度が極上でしかも説明書つきということもあって、私こと零工房店主のコレクションであったLUXMAN SQ505Xの売却が決定した際、お客様からレストアのご要望がありましたので、その改修記録を公開いたします。もちろんそのままでも動作するのですが、20年以上の年月を経ているため部品の経年劣化などにより音質の低下が考えられます。本機は同社のカリスマ的な真空管アンプ「SQ38」シリーズを踏襲するデザインで、木製ケースを採用しているためか、トランジスタアンプでありながら現在でも根強い人気があります。今回は音質を追及するので劣化が考えられる部品をただ同等品に交換するのではなく、ハイグレードなパーツを利用していきます。
(すべての画像はクリックで拡大します)
 
↑今回のターゲット














メインボードの改修
     
   ウッドケースを取り外しますと、メインボードが現れます。写真のように古そうな電解コンデンサ(円筒形の部品)が多数見えます。さらにはマイラーコンデンサ(緑色の平たい部品)も相当な年季が感じられます。
 今回はこれらの部品の交換を行います。電解コンデンサはニチコンのMUSE-FX(オーディオ用)を採用。外形サイズはずいぶんと小さくなりますが容量は同等です。小型化は時代の流れですね。抵抗などはそのまま利用いたします。なお、トランジスタは絶版廃品種が多いため交換せずに続行します。
 
↑作業前














メインボード改修中
     
   右写真は電解コンデンサのみ部品交換を済ませた状態です。部品交換と同時に基板全体を見渡しハンダ付けの劣化箇所のハンダを除去し、新たにハンダ付けいたしました。これによりハンダ割れはもちろん、接触抵抗の増加も改善します。この作業は地道ですが、特に機械実装された基板で絶大な効果が望めます。本機では手作業による実装のためハンダ付けの劣化は比較的軽微でした。
 さらに、この当時の設計に共通するのですが、高周波系のノイズに対する防御策が弱いので、部品を追加して対策を行いました。
 なお、トーンコントロールボリウムの後ろにも基板があり、こちらの基板に対しても同様に作業を施します。
 
↑改修作業途中です














パワー段の改修
     
 
 次に、パワーアンプ部に移ります。右写真はすでに改修済みの状態です。小さい基板なのですが、交換する部品点数は多めですので、気が抜けません。またパワートランジスタのハンダを完全除去しないと基板が取り外せない構造になっていますので、自分でトライしようとしている方は電動ハンダ吸い取り機がないと非常にしんどい作業になるかと思います。
 
↑改修済みのパワー段付近














電源コネクタ部について
     
 
 本機は電源の入力端子が特殊な構造をしており、コンセントの形そのままが、筐体から突き出しています。付属のコードはお世辞にも高品質ではありません。このコネクタを交換し、高品質ケーブルが利用できるように改造を行います。
 
↑背面の電源部の様子

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